こんばんは。
三角関数ちゃそです。
えー。あらかじめ。
今回はアダルトな話題に触れますので、そういった話題が苦手な方はブラウザバックをお願いします。
(この警告、今更過ぎる)
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先日、学園モノのAVを見ていました。
(アダルトな話題終了)
学園モノということで、舞台は学校、セットは当然教室なのですが、
背景に映っている時間割が気になってしまいました。
以下、気になる点。
- 「国際」「異文化」って何?
- 「古文」?「古典」ではなくて?
- 「生物」は「ナマモノ」かな?(AVなので)
- 「HR」は「Hルーム」かな?(AVかな?)
- ってか「国際」「異文化」って何?
…と煩悩を打ち消す鐘の音が鳴り止みません(ゴーン is gone...)。
が、この時間割、実は結構ちゃんとしています。
というのも、英語も読解と文法に分かれていたり、それらが「英R」「英G」と表記されていたり、さらに5教科7科目が6割近くを占めていたりなど、リアリティが追求されているのです。
また、
- 社会科目は「地理」「日本史」「世界史」
- 理科科目は「地学」「生物」
と、文理にやや偏りがあるのも旨味です。リアリティ◎。
やっぱり、学園モノはリアルじゃないとね!
余談ですが、この人教員免許持っているらしいですよ。
といった感じで、小道具一つとっても、リアルさが追求されている、そんな強いこだわりを持つAV監督マジリスペクトです。ぱねえ。
~完~
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…と全肯定したいところですが、数学に目をやってみると
「数Ⅰ」と「数Ⅱ」が両方ある!!!
…私は公立校で高校時代を過ごしたのですが、
- 高1:「数Ⅰ」・「数A」
- 高2:「数Ⅱ」・「数B」
- 高3:「数Ⅲ」・「数C」
と言ったカリキュラムで過ごしてきました(「数C」で世代がバレる)
そのため、時間割に「数Ⅰ」と「数Ⅱ」が共存することはありませんでした。
文系クラスでは、高3で「数Ⅲ」・「数C」を扱わなかったので、その分の時間を利用して実質「数Ⅰ」・「数Ⅱ」・「数A」・「数B」の復習用の時間が設けられていたりしました。
ですが、それらは例えば「数学探求」みたいな名称で扱われていました。
…はい。
このAVの舞台となっている教室は、
いったい何年生の教室なのでしょうか?
そういった疑問を解決するべく、この時間割について様々な仮説を建ててみました。
仮説1:「数Ⅰ」・「数Ⅱ」並行して行う変則カリキュラムである
初めに挙げる仮説は、おそらく皆が考えるであろう「数Ⅰ」と「数Ⅱ」を並行して行うといった説である。
今回撮影の舞台となっている学校では、「数Ⅰ」と「数Ⅱ」、「数A」と「数B」を並行して進めるカリキュラムを採用しているといったところだ。
- 高1:「数Ⅰ」・「数Ⅱ」
- 高2:「数A」・「数B」
- 高3:「数Ⅲ」・「数C」
といったところか(一見、高1と高2で履修する教科は順番が逆でもよさそうだが、後述する「数A」の性質を踏まえ、この順序としている)。
そうなると舞台は高1の教室である。
なるほど、今回撮影に協力いただいた学校では、偶然にもこういったカリキュラムを採用していたのかもしれない。
しかし、文部科学省が平成30年に告示した学習指導要領(https://www.mext.go.jp/content/1407073_05_1_2.pdf)には以下のように書かれている。
(「第2節 数学Ⅱ 1 性格」より)
この科目は,「数学Ⅰ」を履修した後に,履修させることを原則としている。この科目は,より多くの生徒が,高等学校数学の根幹をなす内容について学習し数学的に考える資質・能力を育てるため,「数学Ⅰ」の内容を発展,拡充させるとともに,「数学Ⅲ」への学習の系統性に配慮し,「(1)いろいろな式」,「(2)図形と方程式」,「(3)指数関数・対数関数」,「(4)三角関数」及び「(5)微分・積分の考え」の五つの内容で構成している。
つまり、文科省は「数Ⅰ」と「数Ⅱ」を並行して進めることを推奨はしていないのである。
そう、この時間割は、文科省の掲げる数学教育の意に反する構成となっている。この時間割は、文科省への反旗であるのだ。
そのため、学園モノAVが追求するべきリアリティは損なわれるのである。これは、学園モノの時間割として不適切だろう。
仮説1、棄却。
仮説2:「数Ⅰ」でなく「数エ」である
次の説は、時間割に書かれた教科が「数Ⅰ」であるという認識がそもそもお門違いで、実は
数学エー
の略、「数エ」だったという説だ。
そう思ってみると、「Ⅰ」よりも「エ」に見える。
つまり、この学校では「数A」と「数Ⅱ」を並行して行う変則カリキュラムを採用しているのだ。
ここで当然ながら、次の疑問が生じる。
さっきの「数Ⅰ」「数Ⅱ」並行カリキュラムと同じで、文部科学省はこれを推奨していないのではないか?
はい。
先ほど同様、学習指導要領を確認してみると、
(「第4節 数学A 1 性格」より)
この科目は,「数学Ⅰ」との並行履修又は「数学Ⅰ」の後の履修を原則としている。この科目は,中学校数学の内容を踏まえ「数学Ⅰ」の内容などを補完するとともに,事象を数学的に考える資質・能力を培い,数学のよさを認識できるようにするため,「(1)図形の性質」,「(2)場合の数と確率」及び「(3)数学と人間の活動」の三つの内容で構成している。
というように書かれている。
つまり、数Ⅰをどこかで事前に学習さえしておけば、このカリキュラムを採用することは文科省の推奨しないカリキュラムには抵触しないのである。(もちろん数Aと数Ⅱを並行するカリキュラムを推奨しているわけではなく、仮説1よりも推奨されるカリキュラムに近いというだけではあるが)。
考えられるカリキュラムとしては
- 高1:中学数学の復習→数Ⅰ
- 高2:数Ⅱ(前半)、数A
- 高3:数Ⅱ(後半)、数B
といったところか。
舞台は高2の教室。
さて、このカリキュラムについて少し考えてみよう。
高校受験後に再度中学数学を復習して基礎知識を補填することが出来たり、数Ⅱの三角関数と数Aの三角比の学習を並行して行ったり、数Ⅰでデータの分析を扱った後に数Aで確率を学ぶ順序付けができていたりなど、光って見える長所もある。
数Ⅲを受験で使用しない生徒で、特に数学に苦手意識の強い成績層には有効そうなカリキュラムと言える。
もしかしたら、こんな理由でこんなカリキュラムを採用しているのかもしれない。
恐るべし、今回撮影に協力いただいた学校様。
でも、Aではなくエを採用していることについては適切な理由を見つけられなかった。
仮説2、惜しくも棄却。
仮説3:「数Ⅰ」でなく「数工」である
次の説もまた、仮説2同様の考え方を採用している。そう、時間割に書かれた教科が「数Ⅰ」であるという認識がそもそもお門違いで、実は
数理工学
の略、「数工」だったという説だ。
そう思ってみると、「Ⅰ」よりも「工」に見える。
つまり、この学校では数理工学と数Ⅱを並行して行う変則カリキュラムを採用しているのだ!!
…と言ってもリアリティがない。
数理工学となると、解析学や数理統計学、線形代数といったいわゆる大学で履修するような知識が最低限必要となる(そこにグラフ理論やアルゴリズムをはじめとする計算機数学分野の知識を積み上げていく必要があると思われる)。
どうしても、高校数学として扱うのは難しいだろう。
しかし。
ここで私に一閃の光がさす。
…いや、この時間割が指しているのは、そもそも高校数学ではないのでは?
そう。
これは、あくまで「数Ⅱ」であって、「数学Ⅱ」であるとは限らない。
もしかしたら、
- 「数論Ⅱ」
- 「数理統計学Ⅱ」
- 「数学概論Ⅱ」
のようなガチガチの数学科目である可能性がある。
そして、これらのような数学科目を数理工学と並行しているというのは、仮説1や仮説2よりかは幾分現実的である。
つまり、僕が学園モノだと思ってみていたAVは、実は大学が舞台であり、登場している男優は数学徒である可能性が高いということである(!!)
正直、これが一番、夢がある。
ありがとう、すべての数学教室。
でも、舞台が高校じゃないので、仮説3棄却。
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…いかがだったでしょうか。
今回の「やっぱり『異文化』と『国際』、気になるよね」。
読者の中に、
「私の時間割に『異文化』ありましたよ!こんな科目でした!」
という方がいれば、コメントを頂けると幸いです。
それではご清聴ありがとうございました(…聞こえるか…俺の声が?)